ハルヒよ、俺たちがどうこう言っても電車はダイヤ通りにしかでないぞ。
古泉が事前に乗り換えルートを調べてきているし、長門がさらに念を入れて逐一時刻表を読んでいる(?)くらいだから、慌てることもないはずだが……
毎月発行の、ちょっとした携帯辞書くらいの厚さがある時刻表とにらめっこしながら旅を楽しむ鉄オタというのもいるみたいだが、乗り換えの度に駅の構内を駆けずり回ったり、けっこうハードな気がする。
コミケもすげぇと思うが、オタクという人種はある意味とんでもないエネルギーを内に秘めてるのかもしれん……
前回はお年玉を見越して新幹線などという高価な交通手段を使ったが、今回は旅費を少しでも浮かせるために「青春18切符」で移動中である。
提案したのは古泉のヤツで、五枚セットで一万千五百円のJRの一日乗車券、……つまり一人頭二千三百円で東京まで行けるとか。
しかし快速までしか使えず、JR路線を乗り継いで行くから十時間ほどかかると抜かしやがった。さらに鶴屋さんの別荘でのイベントを目論み、昨年お世話になった新川氏と森さんの執事とメイドさんコンビ、さらにはあの多丸兄弟も来るとのことで、何やら準備が着々と進められているようだ。例によって機関がてぐすねを引いてるのか? それから鶴屋さんも、何か関東一家浅草組がちょろんとゴタゴタしてるので先に行って仕切っておくとか……なんのこっちゃ。
ちなみに今回の件で古泉の副団長の地位は確固たるものとなった、とハルヒがのたまっている。
そんなにハルヒのご機嫌とってどうするんだ? 副団長なんぞ全然嬉しくないぞだから顔近いっての。
さて、皆さんもすでに注目されていることと思うが、この狭い車内にしかも三人お揃いで、真っ白なサマーワンピに鍔付き帽子姿は、周りの視線を一心に集めてる気がしてならん! |