冬コミから帰ってきて、元日はすっかり修羅場明けのイベント疲れで寝正月のあげく、正月二日に俺は長門と初詣に行き、ハルヒと朝比奈さんの巫女装束を拝んで、さすがのハルヒもバイトでは、朝比奈さんに振り袖着せて初詣だとか騒ぎ立てずに、巫女さんにはもうなったしだ。
もちろん大晦日に推理劇や、雪山のゲレンデで猛吹雪に遭い遭難しそうになって謎館などに出くわしたりはしていないぞ。この時系列では冬コミ参加で東京有明にいたのでな。その辺のところは、
冬コミ編が詳しいので、わからない人は先にそちらを読んどいていただけると。
その後は特に変わりばえもなく、冬休みも明けて朝比奈さんが憂鬱になったり、節分には豆巻きと恵方巻を食って、バレンタインには宝探しと……朝比奈さん(みちる)が八日後からやってきたり。
その頃ハルヒは、不気味な沈黙の時期があったのだが、古泉も気づかないことから、まぁ世界が改変したりいきなり破滅の危機はなさそうだがな。
さらに新たな生徒会長の登場と相成り、ハルヒに妙に絡むと思ったら、古泉たち組織の息のかかった、退屈させないための当て馬だったり、春休みにはシャミセンに宇宙からのウイルスを移して阪中の犬の治療をしたり。
そして俺たちは晴れて二年生になって、新学期には正式な部活ではないのにハルヒの新入部員勧誘騒動と並列進行で、新たな未来人、超能力者、そして宇宙人が、よりによって俺の中学のクラスメイトの佐々木の元に結集してやがった!
そりゃひと悶着あったが、俺は今、ハルヒの元にSOS団の仲間たちと、ここ文芸部室にいる。
……と、駆け足で前回からのおさらいなんぞやっていたりするのも、いろいろとこちらにも都合というものがあるわけでね。
季節はすでに夏真っ盛り。この展開から起こる出来事といえば、決まってるだろ? その予感を考えないようにしつつ、まずは嵐の前……正確には中休みとなる、プロローグからはじめていくこととしよう。